人生100年時代

木之下クリニック 木之下 藤郎

 最近よく耳にする言葉に「人生100年」と出てきます。平成一桁生まれは、50%の方が100歳まで生きるといわれていることから、その言葉がキーワードになってきました。
 「そんなこと、定年の延長や年金の受給年齢の引き上げを狙う政府のたくらみじゃ!人の人生、勝手に決めるな」と、お叱りの言葉も聞こえてきます。
 しかし、私が指宿に帰ってきた20年前を思うと、当時男性は80歳を超えて元気でおられる人はごくわずか。女性も80歳代までは元気でも、90歳を超えて元気でおられる人はごくわずか。そんな印象でした。
 今はどうでしょう。80を超えても元気な男性。90を超えても元気な女性。増えてきました。あながち、人生100年も過言ではないかもしれません。
 しかし、元気でいるためにはそれなりの地道な努力が必要です。歯の健康を守り、よくかみよく食べる。仕事以外に、体操などでよく体を動かし、友達と大声で笑い合う。
 そして、最低年に一度は採血などの体の定期検診が大事です。働いている人は、強制的に職場検診ですが、職場を離れた人には、市は特定健診でその費用を補助してくれています。
 一病息災が長生きの秘訣とも言われています。医療機関を定期的に受診されている人は、もし体の変調を感じたときには、遠慮なく担当医師に相談してください。予防医学は、高騰が叫ばれる医療費の削減に大きく寄与します。早めの治療を怠ると、かえって高くつきますしね。
 新たな時代へ、その先を見据えた生き方を、それぞれが模索する時代になります。 苦しいこともあるでしょうが、そんなときにこそお互いが助け合い、この荒波に立ち向かっていく。そのためにも、健康な体は健全な精神の源です。
 医師も、自らの健康に留意し、市民の健康と幸せに貢献できるよう努力いたします。人生100年に向け。