『 逆流性食道炎 』

指宿浩然会病院 大重 和典

 胸焼けやげっぷ、胸のモヤモヤした感じありませんか。
 食道から胃につながる部分は、胃液が食道に逆流するのを防ぐ働きがあります。何らかの原因で胃液が逆流すると、食道の粘膜が炎症を起こし、ただれた状態になります。これを「逆流性食道炎」といいます。逆流性食道炎になると、胸焼けなどの症状を伴うことがあります。
 今回は、逆流性食道炎を予防するために、日常生活上の注意点と食生活の注意点を紹介します。
 まず、日常生活での注意ですが、毎日規則正しい生活をするように心掛けましょう。十分な睡眠をとり、適度な運動をするようにしましょう。おなかを圧迫するような姿勢、行動に注意しましょう。特に、おなかをしめつけることは避けてください。重いものを持ち上げたり、力んだりすることは避けましょう。普段から背筋を伸ばし、正しい姿勢で過ごすことが大切です。ベルトや下着などで、おなかをしめつけ過ぎないようにしましょう。就寝中の姿勢に気をつけましょう。おなかから頭にかけての部分を、高くするようにしましょう。
  食生活の注意点として、消化の良いもの(おかゆ、パン、うどんなど)、高タンパク質の食品(白身魚、半熟卵、鶏のささ身肉など)、高ビタミンの食品(緑黄色野菜、リンゴ、バナナなど)が好ましく、消化の悪い魚介類(イカ、タコや貝類、塩気の多い魚など)、繊維の多い野菜(タケノコ、セロリ、ゴボウなど)、刺激の強い野菜(タマネギ、ニラ、ニンニクなど)、レモンやミカンなどの果物、刺激の強い香辛料や甘いもの、脂肪分の多い肉(ベーコンや牛、豚の脂肉)は好ましくない食品とされています。
 また、食事はゆっくりと規則的に取りましょう。食べ過ぎや、夜遅くの食事は控えましょう。食べた後は、すぐに横にならないようにしましょう。
 たばこやアルコール、コーヒーや紅茶、炭酸飲料は控えめにしましょう。
 生活習慣の改善のみで症状が良くならない場合は、胃酸を抑える飲み薬での治療をおすすめします。 逆流性食道炎の薬は、ここ数年の間に進歩しており、強力に胃酸を抑える薬も開発されてきています。  症状がなかなか改善されない場合は、かかりつけの医師に相談してください。