『 3回目、ファイザー社製?モデルナ社製? 』

池田診療所  宮田 敬博

新型コロナウイルスワクチンの3回目接種が始まっています。1・2回目の接種が早かった人から順番に接種券が届くことになっています。多くの人は1・2回目にファイザー社製のワクチンを接種されていますが、3月末までに3回目として国から配分されるワクチンはファイザー社製が6割、モデルナ社製が4割となっています。1・2回目にファイザー社製を接種された方も4割の方はモデルナ社製を接種しなければ、ワクチンが足りません。

ではファイザー社製とモデルナ社製、どちらを選んだら良いのでしょう?今までのデータから明らかになっていることを整理したいと思います。どちらもm-RNAワクチンという同じ種類のワクチンで、有効率はどちらも95%ほどという非常に高い効果が確認されています。副反応の種類・頻度についてもほぼ同等と報告されています。ただし若い男性の心筋炎については、モデルナ社製の方が数倍多いと報告されています。逆に50歳以上は、モデルナ社製で心筋炎の報告は非常に少ないようです。いずれにしても新型コロナウイルスに感染して心筋炎を起こしてしまうリスクの方がはるかに高いので、ワクチンを打った方が、メリットがあると言われています。若い男性(特に10代や20代)はファイザー社製の方がより安心かもしれません。

3回目も同じワクチンが良いという意見もあれば、別なワクチンの方がより幅広い変異株に効果があるという意見もあります。それについてのちゃんとしたデータは今のところ無いようです。

これから3回目接種が進んでいく中で報告されてくると思います。新しい情報に注目してください。

また3回目のワクチン接種の量は、ファイザー社製は1・2回目と同じ量、モデルナ社製は半分の量になります。ファイザー社製で副反応が強かった方は、3回目は量の少ないモデルナ社製を選んだ方が、副反応が少ないかもしれません。これについても3回目接種が進んでいく中で新たな情報が出てくると思います。

世界を見渡すと、ワクチン接種が日本と同じように進んでいても感染が拡大している国もあります。3密を避ける、マスクを着用するなど、皆さんが基本的な感染予防策をちゃんと心掛ける国民性によるところが大きいと思います。これからも基本的な感染予防策とワクチン接種の両輪で、日常生活を取り戻せるよう頑張りましょう。もう少しの辛抱だと思います。

なお、この文章は12月中旬に書いています。掲載される頃にはまた新しい情報が加わっていると思いますので、最新の正しい情報を参考に判断していただければと思います。