宮薗クリニック 宮薗 尊仁
明けましておめでとうございます。
ワクチン接種が進み、新型コロナウイルス感染症も収束しそうです。何をもって収束とするかは議論が分かれるところですが、私はインフルエンザウイルス感染症同等、入院治療ではなく、外来での治療体制が整った時点で収束と考えます。ただ、現時点では収束したと断定できません。いま一度、感染対策の徹底、見直しをしていただきながら、3回目の新型コロナウイルスワクチン接種を極力受けてください。治療薬も間もなく承認、認可されます。
新型コロナウイルスは新しい時代を象徴するウイルスです。文明が発達することにより、世界旅行も手軽に行ける時代となりました。移動距離は広がり、移動時間はより短縮され、一度に多くの人が移動できるようになりました。中国武漢から始まったといわれている感染症は交通機関の発達で爆発的に広がりました。しかしテクノロジー（ITなど）の発達によって10年かかると言われていた新型コロナウイルスワクチンは１年で開発され、ワクチン接種率が高くなるにつれ、感染者は劇的に減っています。これからの新興感染症は新型コロナウイルス感染症と同じ経過をたどる可能性が高いと思います。また、飛沫感染を主とする感染症は3密を避け、換気を十分に行うことで感染を防げることを再認識しました。これは、インフルエンザウイルス感染症も同様です。
指宿医師会としては、新興感染症が広がりを見せた場合に備え、新型コロナウイルス感染症を教訓に、発生状況を踏まえたスムースな対応が行えるよう対策マニュアルを作成していきます。また、今回新型コロナウイルス感染症によってつらい思いをされた各業種の方々と車座対話集会を開催し、皆さんの意見を集約し、業種ごとの対策マニュアル作成の手助けができればと思います。接客業だけではなく、農林水産業、医療・介護施設、保育施設・学校関係者などと対話集会を開き、それぞれのマニュアル作成ができるよう、時間はかかるかもしれませんが、対応策作成や連携強化に努めてまいります。
厳しい冬を耐え、春がもうすぐ来ます。厳しい冬を耐えた分だけ、春の訪れの喜びはより大きいものです。収束するまでは油断せず、春が早く来るよう、感染対策とワクチン接種については継続していただきますようお願いいたします。
最後に指宿市民皆さんの感染対策、ワクチン接種へのご協力、また医療・介護関係者の献身的な対応に感謝いたします。ありがとうございます。
