『 がん検診を受けましょう 』

生駒外科医院  生駒 明

皆さんは,日本人がどのような病気によって亡くなっているかご存知ですか?2019年の厚生労働省の報告によりますと、死因の第1位は悪性腫瘍(がん)で全死亡者数の27.3%、第2位は心疾患で15%、第3位は老衰で8.8%、第4位が脳血管疾患で7.7%、第5位が肺炎で6.9%となっています。このようにがんは日本人の死因の第1位です。日本人が一生のうちにがんと診断される確率は、男性では65.0%,女性では50.2%です。私たちには50%以上の確率でどこかの臓器のがんと診断される可能性があります.

日本人ではどこの臓器のがんが多いのでしょうか?男性の多く発病する臓器は、第1位が前立腺、第2位が胃、第3位が大腸、第4位が肺、第5位が肝臓となっています。女性で多く発病する臓器は、第1位が乳房、第2位が大腸、第3位が肺、第4位が胃、第5位が子宮となっています。

また日本人はどこの臓器のがんで死亡しているのでしょうか?男性でがんによって亡くなる人が多い臓器は、第1位が肺、第2位が胃、第3位が大腸、第4位が膵臓、第5位が肝臓となっています。女性でがんによって亡くなる人が多い臓器は,第1位が大腸、第2位が肺、第3位が膵臓、第4位が胃、第5位が乳房となっています。

これら発病する人が多いがん,死亡する人が多いがんに対しては,やはり早く見つけて早く治すことが非常に重要となります。このようながんを早くみつけるためには、がん検診を受けることがもっとも身近で簡単な対策です。指宿市では、胃がん検診,超音波検診、子宮頸がん検診、肺がん検診、乳がん検診、大腸がん検診が行われています。これらの検診は、がんが多い臓器をほとんどカバーしています。

これらのがん検診でがんが疑われる場合には,精密検査を行い、本当のがんを診断することができます。がん検診で精密検査が必要とされた場合でも,精密検査では異常がない場合が多くあります。また無症状で受けるがん検診では,たとえ本当のがんが見つかっても早期がんであることが多く治療によって完治する可能性が高いので,緊張せず気楽に受けていただきたいと思います。

これらのがん検診は,健康増進法という法律に基づいて市町村が実施するもので、費用の多くが公費で負担され、少額の自己負担でがん検診を受けることができます。生活習慣病を検査する特定健診、長寿健診と同じように,ぜひがん検診も受けましょう。