大重内科 大重 力
健康教室ですので、本来は健康に役立つようなことを書かなくてはならないのですが、やはり、新型コロナウイルス感染症の事が気にかかります。
原稿を書いているのは令和5年1月21日で掲載は3月になるということですので、情勢がどのように変わっているか分かりませんが、1月14日に国内での1日の死者数が過去最高の503人だったこと、県内では1月5日に新規感染者数が過去最高の5,209人を記録したとの報道があり、指宿でも完全に流行域に入っていました。しかしその後、新規感染者数は減少に向かい、全国では1月6日、県内では1月5日をピークに減少しつつあります。
政府は、この1週間で新規感染者数は0.64倍と減少傾向にあること、オミクロン株では重い肺炎を起こしにくいこと、80歳以上でも重症化率が1.86%、死亡率は1.69%(季節性インフルエンザではそれぞれ2.17%, 1.73%)、60歳未満の若い世代ではほぼゼロと、感染者の重症化率や致死率の低下がみられることから、病原性(重症度)は下がったとして、岸田首相が昨日の1月20日、感染症法上の位置づけを5類に引き下げる方針を出しました。引き下げにより、行動制限や感染対策が緩和され、入院指示や、自宅療養・待機要請がなくなります。これまでは、感染者は7日間の療養、濃厚接触者は5日間の待機を要したため、事業所などでは人手不足が起こり、医療機関、高齢者施設でもスタッフのやりくりに苦慮しましたが、かなり解消されると思われます。医療機関では、これまで特別の指定を受けた発熱外来でのみ対応してきましたが、引き下げ後は普段通りの体制で診ることになります。私の外来で、感染者の発熱状況を見てみました。38.5℃以上の高熱を呈した人の82%はワクチン未接種、あるいはワクチン有効期間超過の人でした。やはりワクチンは効果があると実感しました。
治療薬に関しては、ラゲブリオという内服薬を使いました。また、私の高齢者施設で初めて感染者が1人出ましたが、レムデシビルという注射をしましたところ、2日目には解熱し回復しました。
5類引き下げ後も新たな変異株への警戒は必要ですが、仮に変異株が出ても、ワクチンと治療薬があれば有効な対応ができるのではないかと思います。
