『 介護職不足を市民全体で考え、行政と共により良い地域づくりを 』

宮薗クリニック  宮薗 尊仁

昨年(令和4年)、新型コロナウイルス感染症の爆発的拡大にて、ご自身やご家族が感染され、つらい日々を過ごされた方も多かったと思います。

感染された方にお見舞いと、残念ながら亡くなられた方のご家族にお悔やみ申し上げます。また、感染を恐れず、新型コロナウイルス感染症の検査、治療に携わる医療関係者や感染された方々を施設内で入所者が不安を抱かぬよう、気丈に介護をされた介護施設関係者の方々にはねぎらいと感謝の意を伝えたいと思います。

再び、感染者数は増加し、令和5年1月中旬が新型コロナウイルス感染症第8波のピークといわれています。今年はインフルエンザウイルス、新型コロナウイルス感染症の同時流行となると予想されています。発熱外来数が急増し、状態が悪化しても入院の対応が遅れる可能性もあります。指宿医師会としても万全の体制で対応するよう努めてまいりますが、早めのインフルエンザウイルスワクチンとオミクロン株コロナワクチン接種を済ましていただきますよう、お願いいたします。

さて、今回は介護職不足についてお話しさせていただきます。新型コロナウイルス感染症が流行する以前から介護を必要とする方の支援を行う介護職不足は深刻な状況でした。コロナ流行で、より介護職を目指す方が少なくなっています。自宅を訪問し、介護するヘルパーの高齢化が進んでいます。ヘルパーの担い手がおらず、70歳代のヘルパーさんが訪問介護をしなければならないという状況であるということをご存じでしょうか?このままの状態では、数年後、訪問介護サービス提供が全くできなくなります。年を重ねて支援が必要になっても指宿市で、住み慣れた地域で、友人や家族と過ごしたいと思いませんか?

このままだと福祉サービスが充実している都市部に移らざるを得なくなり、市の人口減少もより深刻な状態になります。この状況を皆さんに知っていただき、要介護者の支援が安定的・継続的に提供できるよう、市民皆さんのお力添えを頂きながら、市行政、指宿医師会、各介護福祉サービス提供施設と共に介護職育成の体制を構築しなければならないと考えています。字数制限もありますので、詳細は差し控えますが、早急に対処しなければならない事項、中長期的に取り組まなければならない事項があると考えます。行政、各種関係団体と密に連携を取り、皆さんに意見を頂きながら進めてまいります。

よろしくお願いいたします。